Koshiji Yoko

越路姉妹の越路よう子が日々思うことを綴ります。

越路よう子のハレマメ奮闘記0602

昨日、音楽家久保田麻琴さんとお話をした。

久保田さんにはこのコロナ騒動のずっと前からお世

話になっている。私にとっては、恩人であり敬愛す

る教授のような存在。晴れたら空に豆まいてにとっ

てもかけがえのない大切な方なのだ。

 

今回のコロナ騒動が始まった段階から様々なサポー

トやアドバイスを投げかけ続けてくれている。すで

に様々な配信イベントを企画してくださり、6月5

日には細野晴臣さんと久保田麻琴さんの配信トーク

イベントも予定されている。

 

楽しみすぎるぜっ。

 

そんな久保田さんとの取り組みの中に、「阿波の遊

行」という取り組みがある。

数年前にリリースした「阿波の遊行」という2枚組

のCDの制作から始まったこの企画が、次の段階に入

った。写真集の出版だ。

 

 

 

阿波の遊行とは、徳島県出身の檜瑛司さんという舞

踊家が残した膨大な音源をCD化したものだった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%A7%E7%91%9B%E5%8F%B8

 

この物語はこうして始まった。

 

檜瑛司さんが数十年にわたり徳島の山奥まで祭りを

追いかけ阿波の芸能をアーカイヴする。それがオー

プンリールのテープとして残っていた。

 

檜瑛司さんがお亡くなりになった後、その娘さんの

千尋さんが音源デジタル化を試みる。ただ、あま

りにも保存状態が悪いものが多く含まれていたため

中々デジタル化が進まなかった。

 

そこで、音楽関係の仕事をしている越路よう子に相

談をする。それを受けた私は、大変興味深い話しだ

ったので早速その作業に取り掛かる。

 

しかし、やはりその作業は難航し最後に自然災害な

どにあった被災者の遺品テープを修復する会社に出

会いデジタル化を依頼。1年近くその作業はかかった

が見事に成功。

 

その中身に驚く。あまりにも生き生きとした人間の

営みと阿波踊りに通じるダンスミュージックともワ

ールドミュージックとも言い切れぬ独自の世界観が

宝石のように散りばめられていた。

 

しかし、このままでは資料室でのお蔵入りとなって

しまうのでそれを世の中に広める方法を模索する。

赤字にならずに多くの方々へお届けする方法はCD

化→販売という道しかなかった。

 

その後、その音源をCD化するにあたって久保田麻琴

さんにマスタリング及びプロデュースを依頼。販売

につながったのであった。

 

こうした道のりで出来上がった音源は素晴らしい内

容で世の中へ静かに流されていった。

久保田麻琴さん無しではこうはならなかったという

事は言うまでもない。

 

そんな作業の中、檜家で多くの写真を見せてもらっ

た。檜瑛司さんは、音源だけでなくその時代のその

場の風景も写真として収録していたのだ。

阿波の遊行で実現した当時の音を可視化したのがこ

うした写真だった。

 

その写真があまりにも素敵で、いつか写真集として

みなさんにお届けすることができたらより深く、よ

り楽しくこうした古謡・フォークロアの世界を楽し

んでいただけるのではないかという思いはどんどん

膨らんで行った。

 

そして、今度は音源付き写真集を久保田麻琴さんに

依頼。久保田さんは快く引き受けてくれた。

 

膨大な写真資料から写真を選別する作業は大変な作

業だ。考古学者が大きな山から小さな遺跡を発掘す

るような作業だったに違いない。

また、劣悪な状態の音源をきめ細かく調整する作業

も大変だ。こちらも相当な時間と情熱を注いで取り

組んでいただいた。

 

麻琴さんには他にもいくつかお仕事をさせていただ

いているが、いつもこうしたレベルのテンションと

モチベーションとハイレベルな集中力で取り組んで

いただく。そのお姿をずっと見てきたので、私は誰

よりも久保田麻琴さんを信用している。

 

昨日、その音源と選別された写真を見た。

 

写真は、土門拳筑豊の子供達をも凌駕するような

生き生きとした写真で音も間違いなく素晴らしい仕

上がりだった。

 

徳島には、こうした素晴らしい芸能と文化が存在し

た。それらの全ては暮らしを生活の中から湧いて出

てきたもので、更に言えばその祭りの世界は天に通

じる「祈り」のように神がかったものだった。

 

地球と宇宙を感じるロマンチックな世界がそこにあ

った。

 

コロナ禍の真っ只中、世界の集合意識は変わろうと

している。発展を続ける人類が置き去りにしてきた

ものは計り知れない。

私たちは今それに気づくチャンスを与えられた。

それは、それぞれの人生の中にある生きるテーマそ

のものに気づくチャンスなのかもしれない。

 

「祭り」は、私たちを覚醒させ、人間にとって最も

大切なものはここにあるんだよと気付かせてくれる

装置だったのかもしれない。そして、星や月や宇宙

との繋がりを意識する感覚を呼び起こしてくれる装

置だったのかもしれない。

 

その中で私たちは誰もが主人公で、誰もがこの星に

生まれてきた意味とテーマがあるんだよってことを

教えてくれているのかもしれない。みんなこの星に

生まれてきた「使命」みたいなものがあるんだと。

それは人目や世間を気にせずに、自分がホントにや

りたいことをやるってことで導かれるのかもしれな

い。

 

私は「阿波の遊行」の取り組みの中で多くの神秘的

な場所に訪れた。それを通してこの写真集に向き合

うと、どうしてもそんなことを考えてしまう。

 

この写真集は、真っ先にクラウドファンディング

リターンの一つとしてお届けしようと思っている。

その後、河出出版という立派な出版社から全国で販

売される予定だ。

 

お店はまだまだ大変だけど、クラウドファンディン

グのおかげでこうした夢も実現に向かっている。み

なさん本当にありがとう。

ありがとうしかありません。

 

さー今日も一日がんばるぞっと。

 

 

奮闘はつづく、、、、、、

 

ハレマメクラウドファンディング

https://motion-gallery.net/projects/haremame