Koshiji Yoko

越路姉妹の越路よう子が日々思うことを綴ります。

晴れたら空に豆まいてがクラウドファンディングを始めました。

晴れたら空に豆まいてクラウドファンディング

始めました。

https://motion-gallery.net/projects/haremame

 

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晴れ豆クラウドファンディング

 

晴れたら空に豆まいて代表、越路よう子からのご挨

拶をこの場を借りて掲載させていただきます。

私個人の思いはこちらにつづらさせていただきまし

た。ちょっと長い文章になりますがお付き合いいた

だける方はお時間のある時に読んでいただけるとう

れしいです。

どうぞみなさまよろしくお願い申し上げます。

 

 

みなさま、日頃より「晴れたら空に豆まいて」をご

愛顧いただきまして誠にありがとうございます。

また、このところの新型コロナウイルス災害によっ

て大変な不安と重たい思いに苛まれていらっしゃる

中、突然のお願いとお知らせをさせていただくこと

をお許しください。

 

私たち、「晴れたら空に豆まいて」は「店の存続」

と「未来の新しい扉を開く」ためにクラウドファン

ディングを始めさせていただきます。

 

この決断に至るまでは長い時間と葛藤がございまし

た。それは、店の存続のために皆様からお金を募る

と言う行為そのものが情けなく、恥ずかしかったか

らです。そもそもお世話になってきたのはこちらの

方で、お世話になってきた者がお世話をしてくれて

きた方々にこのようなお願いをすること自体辻褄が

合いません。

 

お世話になってきた方々とは、ご出演者の皆さん、

ご関係者のみなさん、ご来場いただいてきたお客様

の皆さん、私たちに関わっていただいた全ての方々

です。私たちの仕事はこうした方々によって成り立

っています。そしてきっとこの文章を読んでいただ

いているのは、こうしたお世話をしてくれた方々で

す。それが故に複雑な苦しい心の葛藤がございました。

 

しかし、「晴れたら空に豆まいて」が現在経営の危

機的状況にありこのままでは廃業するしかないと言

う状況に追い込まれた今、悩みに悩んだ結果このク

ラウドファンディングに踏み切ることにいたしました。

 

まずは、長くなりますがこの思いに至ったストーリー

と、私たちが思い描く「未来の新しい扉」について赤

裸々に告白させていただきます。

 

 

わたし達の物語りは1997年9月7日に(23年前)

に横浜は関内という町で始まりました。小澤浩さんと

いうアートを愛するオーナーの元に若いミュージシャ

ンが集まり、突貫工事で自分たちの手で工事をし、作

り上げたのが横浜BBストリートという小さな小さなラ

イブハウスでした。

その後、横浜の地に月桃荘(げっとうそう)スタジオ

というレコーディング・リハーサルスタジオを作り、

青山に月見ル君想フというライブハウス、藤沢に太陽

ぬ荘(てぃーだぬそう)スタジオ、そして代官山に

晴れたら空に豆まいて」を開店させました。

 

晴れたら空に豆まいて」がオープンしたのは今から

14年前のこととなります。わたしは、このグループ

のまとめ役としてほぼ全ての事業に立ち上げから関わ

らせていただきました。

やがて今からおよそ4年前にオーナーがフランスへ移

住することがきっかけで全ての店舗がそれぞれ独立し

てゆきました。わたしは最後に残ったこの「晴れたら

空に豆まいて」を背負わせていただくことになったの

です。

 

こうした歴史の中で、浮き沈みはあったものの心と心

を繋ぐことのできる優秀なスタッフと共に、「晴れた

ら空に豆まいて」は成長して参りました。

多くの素晴らしいミュージシャン、落語家、思想家、

ダンサー、DJ、学者などの文化人のみなさまにご縁を

いただき、日々エキサイティングで充実した時間の中

で目の前にある仕事に従事してきたのだと今更ながら

実感します。

その一日一日が心躍る祭りであり、官能を刺激する快

感であり、知性を与えてくれる学問であり、出会いを

繋げてくれる人生の扉でした。文化というものはこう

した時間の積み重ねの中で創造されてゆくという事も

同時に教えていただきました。

 

音楽やアートには人生や、愛や、悲しみや、欲望や、

喜びや、人間が持つ全ての意識、魂、心、感情と言っ

たものを表現することが使命があると考えています。

そしてその表現が時には人々に寄り添い、時には人々

を励まし、時には人々に感動を与え、時には人々の思

考に影響を与える尊い役割を担っています。

私たちの仕事は、その表現の場をご提供することでした。

最高の音質で、美味しいお料理で、真心がこもったホス

ピタリティーでご出演者の皆さんとご来場いただけるお

客様にご提供させていただくことへの努力が私たちにと

っての日常であり、喜びであり、誇りでありました。

 

 

それが今、新型コロナウィルスの出現によって突然全て

の活動が止まりました。

23年間の歴史の中で初めての経験です。

連日報道で「ライブハウス」は槍玉に挙げられ、その後

の政府や自治体などからも名指しでライブハウスには近

づくなと警告され続けてゆきました。

ウィルスの拡散防止と安全の確保のためには、当然私た

ちの活動を止めなければなりませんし、それが最善の策

であることもわかっておりました。

したがって、私たちは4月1日からの臨時休業を3月の

段階で決定しました。

 

これは店側の独自の判断で、当時まだ色々なお考えがあ

る中での一方的な判断でした。その判断の根拠は漠然と

した不安が広まる中、私たちが重要視してきた心から楽

しんでいただける空間の演出をご提供する自信が無くな

った事と、従業員、ご出演者の皆さん、関係者の皆さん、

ご来場いただく皆さんの安全を確保する事でした。

ありがたいことに、全ての皆さまの深いご理解とお気持

ちによってこの決断については驚くほどスムーズに実行

されました。

 

もちろん何の補償も無い状態での1ヶ月もの間の休業は

経営的には大打撃でほぼ即死の状態に自らを追い込むこ

とと等しい選択でした。

その選択は同時にスタッフの生活や店の存続に決定的な

ダメージを与えることでもあったのです。

 

 

多くの同業者の皆さんがすでにご経験されていることと

思いますが、毎日更新される慣れない言葉や情報に振り

回され、毎日経営プランのフォーメーションを変えなけ

ればならず脳内と心の整理は大変です。

 

政府の補償関連の発表は、よくよく聞いてみるとものす

ごく難解奇怪な計算式があり、窓口になる労働局も区役

所も銀行も詳細が知らされていないため手続きに時間が

かかります。

資金繰りという意味では国の補償や自治体のサポートは

ほぼ機能しておらず、それを待っている時間はありません。

 

晴れたら空に豆まいては、現在打つ手を打ち尽くし、あ

らゆる可能性についての準備は整え、出来る限りの努力

はさせていただいておりますが、このままでは完全に資

金ショートし廃業に追い込まれる直前にいます。

まずはこうした危機的状況を救っていただくべく「クラ

ウドファンディング」という最後のお願いに踏み切るこ

とを決めさせていただきました。

 

そして私たちは存続の危機を救っていただくお願いを申

し上げるのと同時に、この先の未来図としてこのような

ことを考えています。

 

これにつきましては、存続できるかどうかもわからない

状況の中であることが前提ではありますが、何が自分た

ちにとっての懸命なる努力か?あるいは何がみなさんに

とって喜んでいただける活動なのか?という問いに対す

る答えです。

みなさんのご支援によってこのお店の命を救っていただ

いた後に、私たちは晴れたら空に豆まいての文化事業を

継続させなければなりません。それは、もしかしたら

「未来の扉を開く新しい扉」になるのかもしれません。

 

一つ目は晴れたら空に豆まいてのセレクトオンラインシ

ョップの開設です。

 

長年にわたる運営の中で、多くのご出演者の皆様から貴

重で希少な情報を沢山いただいてまいりました。また、

独自の地方都市での活動により様々なエリアへのホット

ラインがございます。南は沖縄から北は北海道まで。全

国津々浦々、細部に渡るまでの情報がございます。

私たちが考えたのは音楽がきっかけで繋がったこの貴重

な情報と物をみなさまへお届けすると言うことでした。

大手の流通には乗ることの無い、希少で、貴重で、オリ

ジナリティ溢れ、暮らしに役立つ素晴らしい商品をご紹

介するお店の開設です。

 

そして、二つ目はご自宅でお楽しみいただける配信、番

組制作です。従来の通信システムを強化し、映像と音の

クオリティを最大限に引き上げ、会場では見ることので

きない演出を施したオリジナル番組を制作いたします。

 

クラウドファンディングで募集するお金の使用目的は、

Webショップ開設のための費用、通信システムの強化費

用、ネットワークの構築費用、映像収録機器のスペック

強化費用、番組制作費、そして何よりこの活動を実現さ

せるための店舗の維持継続救済費用ということになりま

す。

 

どうぞみなさまの温かいお気持ちと、この企画にご賛同

していただけることを切にお祈り申し上げつつ、この場

をお借りいたしまして誠にお恥ずかしながら救済の手を

差し伸べていただけますようお願い申し上げます。

 

そして最後になりましたが、まだまだ不安が続きみなさ

まの暮らしも激変する最中ではございますがどうぞお身

体にお気をつけて健康を維持していただけますよう心よ

りお祈り申し上げます。また「晴れたら空に豆まいて

が無事に再開し、みなさまと会場でお会いできることを

心より楽しみにしております。

 

長く拙い上、厚かましいお願いの文に最後までお付き合

いいただきましてありがとうございました。

 

2020年4月10日(金)

 

代官山 晴れたら空に豆まいて

株式会社 ベルリンの庭で 

代表取締役 越路よう子