Koshiji Yoko

越路姉妹の越路よう子が日々思うことを綴ります。

世界は素晴らしい

新幹線で富山に向かった。

東北新幹線も、北陸新幹線も完全禁煙なので愛煙家

の私にはちょっと息苦しい。かと言ってホームの喫

煙所は毒ガス室のようでもっと息苦しい。

そういえば羽田空港の喫煙所も縮小され、タバコの

煙を燻らせる場所は隅っこに追いやられていたっけ。

 

私は喫煙者なのに喫煙所が嫌いだ。

なんか惨めな気分になるのでそこには行かない。

煙だらけで息苦しく、立ちながら肩を寄せ合いタバ

コを吸う様は、昔歴史の教科書に載っていた「アヘ

ンを吸う人々」を思い出させるからだ。

そんなことまでして煙草など吸いたくない。

 

私は今喫茶店にいる。

コーヒーと煙草は相性がいい。

ゆったりとしたくつろぎスペースで、本などを読み

ながら愉しむものだと思っている。今では少なくな

ってしまった純喫茶などが好きなのは、こうした趣

味嗜好を歓迎してくれている気がするからだ。

 

富山駅に到着し、ホットコーヒーを買い外に出ると

人気のない場所があったのでそこへ移動した。

少々の小雨が降っていたが、ここならゆっくりと煙

草が吸えると思い火をつけると、ちょっと離れた場

所からガードマンらしき人が小走りで寄ってきた。

そして彼は顔をしかめて人差し指を左右に振りながら

「ここはダメ。」と日本人とは思えないアメリカンス

タイルのアクションで私に詰め寄って来た。

 

気の弱い私は、「あっ、どうもすみません、、、」と

言い、あわててタバコの火を排水口の脇で消そうとす

ると彼は「ダメダメダメ!道が汚れるでしょう!」と

今度は講談師の広沢虎造のような野太いものすごく大

きな声で叫んだのだ。

どーすりゃいいのかと戸惑っていると、「ほら!あそ

こ見えるでしょ!」と遠くに霞む喫煙所を指差し、あ

そこまで行って消せと言う。

 

喫煙が禁じられるのは、煙を吸いたくない人に煙を浴

びせてはいけないと言う理由だと思うのだが取りつく

島もなかったのでそこまで行って火を消した。

その場所まで歩く途中、私はこの国の息苦しさをため

息とともに空に吐き出した。

 

でも今日は、とってもいい事があったので気にならな

い。おっかないガードマンのおじさんも、足早に行き

交う人も、電柱にとまってる小鳥も、みんな好きにな

れそうな1日なのだ。

 

みなさんにとっての今日が良い1日になりますように★

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コーヒーと煙草と読書