Koshiji Yoko

越路姉妹の越路よう子が日々思うことを綴ります。

横浜シンクロニシティ

今朝は天気が良いので港が見える公園まで歩いて

みた。横浜の山下公園にはジョギングをする人が

たくさんいる。

軽やかに朝のジョギングを楽しむ人だけではなく、

中には不動明王のような形相で歯を食いしばりな

がら走っていたり、目がうつろで気を失うんじゃ

ないかというような表情で体をナナメにして走っ

ている人もいる。

ジョギングって体にいいんだろか?

 

それはさておき今朝の散歩が港まで及んだのには

訳があった。

 

獅子文六(ししぶんろく)という小説家の展覧会

港の見える丘公園近くで開催されていたからだ。

横浜を舞台にして描かれた「やっさもっさ」とい

う小説がおもしろすぎて、獅子文六をネットで調

べていたらタイミングよく展覧会が開かれていた

というシンクロで。

 

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獅子文六展 近代文学

 

獅子文六とは横浜出身の、明治生まれの演劇人で

小説家。文学座を作った人と言えばわかりやすい

かもしれない。わたしが生まれる2ヶ月前、19

69年の12月に亡くなった。これも軽いシンク

ロか?

 

まぁとにかく読みやすくユーモアたっぷりで、読

者を飽きさせないテンポの良い物語の展開。思わ

ずじぃーんときたり、クスッと笑ってしまったり。

コメディタッチの面白い小説なのでオススメです。

 

 

徳島にいすぎたせいか、最近なんだか妙に横浜が

恋しくなって横浜に関する本を読むことが多くなった。

山崎洋子さんが書いた「女たちのアンダーグラウンド

は横浜の光と闇をえぐるノンフィクション作品。主に

戦争孤児であり混血児の背景にあった問題に迫った迫

力のある作品だった。偶然にも獅子文六の「やっさも

っさ」も戦争孤児を育てる施設を舞台にした物語だっ

た。シンクロしてるぜ。

 

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横浜の光と闇を描いた、女たちのアンダーグラウンド

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獅子文六展で買った3冊の小説


 

横浜は、明治政府による開国とともに一夜にして外国

文化に染まる西洋風の街となった。

その後関東大震災で街は全滅するが、人々は力を合わ

せて見事に復興をとげる。その後戦争になり、横浜は

焼け野原へ(東京大空襲より被害が大きかった)。そ

してアメリカ軍の占領の元、今度横浜はアメリカ文化

一色に染められる。

 

1868年の開国後、1980年代のバブルの終焉く

らいまで横浜という街は揺さぶられ続け異国の文化が

津波のように押し寄せ、飲み込まれ、そして染められ

てきた。まぁ、その辺はこれらの小説を読んでいただ

ければ深く感じることができるかもしれない。

 

 

昔からよそ者を受け入れる文化が半端じゃないと言わ

れてきたが、本当にそう思う。いろんなもんが押し寄

せすぎちゃって、何がよそ者なのかわからなくなった

のかもしれない。

 

私に至っては、よそ者かよそ者じゃないかがわからな

くなってる上、何が男で何が女かもうわからなくなっ

ている。わからなくても良いような気がする。

 

何が何だかわかりません。

 

横浜シンクロニシティ