Koshiji Yoko

越路姉妹の越路よう子が日々思うことを綴ります。

ロマンチックエネルギー

私の暮らしは、しばらく家を留守にすることが多い。

毎月横浜と徳島との半々の暮らしをしていることに

加え、毎月地方に演奏に行く機会があるのであっち

こっち出かけて留守がちなのだ。

 

昨夜私は横浜に帰ってきた。

ちょっと慌ただしく家を出たのだが、玄関のドアを

開けて部屋に入った瞬間なんとなくその時の慌ただ

しい感覚がよみがえった。

こんなことがよくある。

 

そのむかしとある授業であることを教えてもらった。

大学の授業だった。

心霊現象に詳しい教授がこんなことを言ったのだ。

 

「あなたが今広い球場にいるとします。そして全力

で遠くに向かってボールを投げたとします。そして

ボールが手から離れた瞬間あなたが死んだとしまし

ょう。でも、ボールは飛んでいきますね。これが霊

の正体です。」

 

つまり私がパタリと死んだ後もボールは飛び続ける。

私のエネルギーが死後もこの世界に残っているとい

う事だ。

 

続けてその教授はこんな事も言った。

 

「例えば、心霊現象でよく語られるのはたいがいす

ごい恨みを持っていたりこの世に強烈な思いが残っ

ているものばかり。平和な江戸町民とか、大昔の石

器時代の人の霊なんて聞いた事ないでしょ?」

 

「霊はエネルギーなのです。」

 

妙に納得したことがあったな。

 

私が家に帰った時に感じたそれは、きっと私のエネ

ルギーが残っていたのかもしれない。

「慌ただしい」というエネルギーが。

 

そう考えるとこの世界はロマンチックだ。

 

できることならエレガントなエネルギーを残したい。

ロマンチックエネルギーを。