Koshiji Yoko

越路姉妹の越路よう子が日々思うことを綴ります。

野生の勘を取り戻せ

日記とはなんなんだろう?

 

 

ここに日記がある。

 

自分だけが毎日欠かすことなく向き合うことのできる日記だ。

 

他の誰にも言えない心の問題をすべて吐き出せる

 

自分だけが知る日記。

 

それは私による、私に宛てた告白書だ。

 

もちろん誰にも見せない秘密の秘密の日記だ。

 

だからわたしは鍵をかける。

 

日記に鍵をかけるのだ。

 

そして、しっかり鍵をかけたその日記を、

 

さらに分厚い鋼鉄でできた金庫の中で保管する。

 

この秘密の日記には、誰にも知られたくない秘密があるからだ。

 

 

 

日記とは、本来それくらいの秘匿性がなければ成り立たない。

 

それがなければ書く意味がないのだ。

 

告白でもなんでもないものになってしまうからだ。

 

かくいうわたしは究極のめんどくさがりの生臭坊主なので

 

 

そもそも日記などは書かない。

 

書けない。

 

ただ、日記とはそもそもわたしたちにとって、

 

ひじょーに分かりやすい、プライバシーの塊みたいのようなもので

 

家族の日記だってこの人生遡っても見たことなどない。

 

人の日記って勝手に見ちゃだめでしょ?

 

 

それはやっちゃダメなこととして生理的に受け付けないわけです。

 

それくらい日記とは秘匿性のあるもので、

 

ましてやそれを覗き見る根性や行動などは

 

到底認められるはずもなく、

 

恥ずべきものとして断罪されたものだったのだ。

 

 

ところが世の中のSNS的な思考の中ではそうではない。

 

秘匿性なんてどこにもないオープンな世界だ。

 

秘密どころか、そのほとんどが公開を前提に

 

 

日々それぞれのやりかたで自分の行動を表現している。

 

あたかも日記を更新しているかのごとく。

 

 

このBlogだってそうだ。

(BlogとはもともとWeb logと言い、ウェブ上の記録という意味なので

 そもそも日記ではないかもね)

 

ここまでは楽しいお遊び★

 

 

 

 

ただ、おかしいと思いませんか?

 

SNSにはお金がかからない。

 

IDさえ登録すれば

 

ボタン一つでビューんとその世界に飛び込める。

 

そして色々な世界の人々とつながることのできる

 

夢のような無限の社会のネットワーク。

 

ただそのサービスは、無償ではない。

 

桁外れの広告収入?

 

いや、そんなものではない

 

化け物のようなお金と力がそこには1秒毎にうごめいているのです。

 

 

 

 

メタデータと呼ばれる情報検索分野の中の

 

情報管理システムをご存知でしょうか?

 

たとえば、フォトアルバムサービスなどで、動画ファイルや画像ファイルを

 

アッロードする際に登録するいわゆる「タグ」もメタデータのひとつ。

 

 

簡単に言うと、このシステムはわたしたちの全ての個人情報を

 

日々アクセスするわたしたち自身の行動(アクセス)から

 

収集しカテゴライズすることができるのです。

 

 

わたしが今日食べたもの、その味、色、お店、場所、

 

その日時、その全てが記録されています。

 

今日会った人、今日考えたこと、今日関心を示したこと

 

その時々の趣味、好きな異性のタイプ、性癖、

 

哲学、宗教その全てを正確に、自動的に記録する。

 

このシステムは、わたしの行動形式、思考その他

 

全ての要素を淡々と無機質に記録し

 

日々、光のスピードであっという間に分別され

 

わたしたちの意思とは関係ない場所で、

 

あるカテゴリーにオートマティックにはめこまれる。

 

それも、日々アップデートされてゆく情報によってそれは

 

さらに進化するわけです。

 

そしてその進化するための情報源は、

 

わたしたち自身がみずからアクセスし、検索し、アプローチする

 

全てのウェブ上のデータが記録され、

 

個人情報はアップデートされ、確実に記録されてゆきます。

 

また、携帯電話のGPS機能と電話番号はあなたのIDを証明した上で

 

今日誰と会ったか、どんな会話をしたか、何処へ行ったかなど

 

すべての自分自身の行動を提供しているわけです。

 

つまりわたしたちはとっくに監視されているわけです。

 

 

 

無邪気に発信するSNSの世界。

 

そこには薄気味悪い「罠」が仕掛けられているのです。

 

私たちは人類史上未曾有のコンピューターセキュリティの

 

危機の中に生きています。

 

 

今こそ野生の勘を取り戻すべきなのです。

 

人と会いましょう。

 

直感を磨きましょう。

 

魂を鍛えましょう。

 

そのためにわたしは山に入り、祈ります。

 

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